会員の意向調査(2023年6月11日~6月30日)

1. 2023年4月の評議員会において学会の運営に会員の意向を反映させるため、アンケートを実施することが決まりました。6月11日から6月30日までの20日間で実施しました。質問事項は8つです。作成・回収はグーグルフォームを使用しました。 (写真はクリックで拡大します)

サムネイル画像 サムネイル画像 サムネイル画像

2. 回収率は,61.6%でした。現在使われていないメールアドレスなどのため、実際に送信できた会員は224名でした。うち、回答された会員は138名でした。

サムネイル画像

3. 回答の集計結果

   3-1. 回答者の年代 「⑤50代、⑥60代」の欄は、1名の方が複数の回答をされたためです。

サムネイル画像

   3-2. 関心のある生物・学問分野
      関心のある生物は、魚類、昆虫、両生類などが多い。学問分野としては、生物地理学、分類学、生態学、進化学などがあげられています。記載項目や分類の大小はまちまちで、記入なしから数項目上げられています。

サムネイル画像

   3-3. 学会誌への投稿経験と今後の意向
      回答した者の7割はこれまでに投稿されたことがあります。今後投稿する予定の者は全体の15%程度、投稿するかどうか不明の者が20%程度でした。

サムネイル画像 サムネイル画像

   3-4. 大会への参加実績
      日本生物地理学会の大会では、これまで市民シンポジウム、一般発表、シンポジウム、学会総会を行ってきました。大会参加者は回答者の4割弱にとどまっています。決議機関である総会への参加は17%でした。

サムネイル画像

   3-5. 市民シンポジウムのあり方
      市民シンポジウムのテーマについては、「特に制限しない」が45%、「生物学に限るなど何等かの制限をする」が38%、「市民シンポジウムを廃止する」が4%、「分からない・何とも言えない」が14%でした。

サムネイル画像

   3-6. 大会の開催方法について
      大会の開催方法については、会場とオンラインの両方での実施を求める意見が6割を超え、オンラインでのみ開催14%と会場設営でのみ開催16%を加えると、約8割を占めます。

サムネイル画像

   3-7. 会員向けホームページの評価
      ホームページを利用したことがない者は約2割でした。利用している者では、9割を超える者が「役に立っている」としています。

サムネイル画像

      ホームページの問いに関して④の意見要望を提出した者は12名でした。順不同でそのままを掲載します(個人名は除いています)。

        ア HPで得られる情報が少ないと思います
        イ 広報が中心となって会員向けのメーリングリストを運営すればよい。市民シンポジウムは学際的であり有用だと思う。専門分野のシンポジウムがあるのだから幅広いテーマでやってよい。
        ウ 論文のタイトル一覧を掲載する
        エ ホームページに掲載する内容を、さらに充実していただきたいと希望します。会則、組織、役員、委員会と委員、投稿規定といった基本的な情報だけでなく、生物地理学の最新の研究の内容や話題、関連する学会等主催のシンポや講演会などに関する情報発信を頻繁にしていただければ幸甚です。
        オ 過去の論文のPDF公開を希望する
        カ 旧HPにあった出版物のタイトル目次がほしい(新体制以後でもよい)。印刷頁の超過費用が高い(これで投稿を控えている)。
        キ 学会誌のPDFでの利用(アーカイブ化)
        ク 非常に投稿しやすく、さらに質のいい学会誌の発行をしていただき、誠にありがとうございます。しかしながら現状、和文誌は学会員しかタイトルなどが分かりません。ですので、タイトルとアブストだけでもHPに掲載して欲しいです。欲を言えばj-stageでの公開も最終的にはしていただきたいです。よろしくお願いします。
        ケ 会報をWeb上でダウンロードできるようにすると,読者が目にする機会も増え,学会自体も活性化されるように感じる.
        コ 雑誌の利用を目的とした会員ですが、J-stageにない過去の和文誌・英文誌のオンライン化の予定はないでしょうか?
        サ バックナンバーの閲覧ができると嬉しいです。
        シ 現在の学会の運営はごく一部の熱意ある幹部によって支えられています。民主的で風通しの良い運営体制に変えるため、組織の若返りを図る必要があると思います。


   3-8. 会員の意見要望
      当学会に対する意見要望は、ホームページの評価に関する12件のほか、学会の運営全体、学会誌の編集と公開、市民シンポジウム、会費負担についての意見要望がありました。「要望は特にない」などの意見は除き、31名から提出された32件について紹介します。Q7の12件と重なる意見もありますが、敢えて一緒にはしていません。


   3-8-1学会の運営全体について(10件)

     ① アマチュアなので,情報は役立っています.
     ② 生物地理に関する研究を発表できる場として有り難く思っています。
     ③ 運営を担う皆様のご苦労に敬意を表します。
     ④ 会員が会誌投稿・大会参加以外(大会・シンポ企画など)に実質的に参加できるようであるといいかと思います。
     ⑤ 会費の額に比べて会員サービスが大変充実していると思います。
     ⑥ 大会の開催時期が年度がわりにころなので参加しにくかったです。
     ⑦ なかなか、総会等仕事柄参加できませんが、学会の情報はとても勉強になります。
     ⑧ 大会を地方でも開催してはどうか。
     ⑨ 大会のプログラム・開催方法・場所は大会事務局の裁量と考えます。
     ⑩ いつも運営ありがとうございます。会員への連絡などについては、可能な人はメール送信などに切り替えてできるだけ事務局の負担や支出などを減らす方向なども考えていただければよいかと思います。

   3-8-2学会誌の編集と公開について(12件)

     ① 費用等の問題があるかもしれませんが、過去の会誌(英文誌和文誌とも)のすべてがJ-STAGEで公開されることを希望します。
     ② 論文等のJ stageへの掲載をお願いしたいです。私の知る限り、生物地理学会に属する若手・中堅の多くの投稿者が論文のWEBでの公表を希望しています(掲載料が高いにも関わらず、J stageでの公表がないため、啓発効果が低い傾向にあり、実際に私の分野では、投稿先が他誌へと流れる傾向にある印象です)。
     ③ 掲載範囲が幅広く、投稿しやすいため、今後もこの方向性を継続されることが望ましい
     ④ 和文誌である日本生物地理学会会報をBiogeography同様にオープンアクセスで公開していただけると本誌への注目度や投稿数が高まるかと思いますので、ご検討のほどいただければ幸甚に存じます。
     ⑤ 学会誌に掲載された論文のオープンアクセス化を引き続き進めて頂きたく思います。論文の引用件数や投稿数を伸ばすためには、非学会員の方でも論文を読めるようにするべきです。
     ⑥  学会誌については、オンライン版の利用ができるようになるとありがたい。
     ⑦ 会報に掲載された自分の論文の取り扱いについて明記してほしい(個人のHpなどにPDF掲載してよいかとか)
     ⑧ Biogeographyについてインパクトファクターを小さくても提示すると国際誌として認められると思います。
     ⑨ ホームページ上での過去のタイトル一覧の公開、および過去の和文誌のオープンアクセス化を希望します。
     ⑩ 現在、投稿・査読が進行している論文数をHPで挙げてもらえると良いと思う
     ⑪ 投稿のハードルが高くないため,急ぎの論文では助かっています.
     ⑫ 英文誌がJ-STAGEでオープンアクセスになったので,和文誌も同様になるとよいです.

   3-8-3市民シンポジウムについて(8件)

     ① 市民シンポの是非があるようですが、科学の市民への還元という意味は重要です。今年度は少しばかり分かりずらかったです。事前に理事会等で揉んでおく必要はあると思います。
     ② 市民シンポジウムは、テーマ、演者、討論(対立意見も含めて)、すべてで大きな意義を持つ。私としては続けてほしい。
     ③ 市民シンポジウムについては、戦争や政治的な内容が全面に出過ぎており、「生物地理学会」の名を冠して行う内容であるのか違和感を覚えている。人から聞いた話だが、そのような内容ばかり目立つため、学会に入会するのをためらっているという話も聞いたことがある。例年、一般発表が少ないのも、市民シンポジウムの内容が遠因ではないか。純粋に生物地理学の学問を探究し、議論したい研究者、市民にとって、今の生物地理学会のあり方でいいのかと思うところはある。生物地理学・系統地理学は現在でも生物多様性の理解への大きな貢献を果たす研究テーマであり、分類群横断的に生物地理学の話題を議論できる学会として発展してほしいと願っている。
     ④ すでにされたことがあるかもしれませんが、創設に関わった蜂須賀正氏や渡瀬庄三郎に関するシンポジウムがあれば、是非参加したいです。この時代は対象生物は横断的でしたので、各分野にとって重要な情報交換の場となれば幸いです。
     ⑤ シンポジウムのテーマは、(あまり厳密ではないにせよ)ある程度は生物地理学に関連するものとし、この分野に関心を抱く学生・大学院生を含む若手研究者にアピールする内容を工夫すべきと思います。
     ⑥ 生物地理学会報やBiogeographyへの投稿量が多いにもかかわらず、春に実施する大会での発表数が少ないのは組織的な欠陥に原因がある。これまで学会を継続的に発展させてこられてきた森中会長のご尽力に負うところが大きい。しかし、一連の市民公開講座のテーマは本学会とは何ら関係がなく、いわばシンポジウムそのものが私物化されてきたように思える。その一方で、地球温暖化による影響など生物地理を取り巻く環境が大きく変わりつつある今日、さらには新たな地質学あるいは系統地理学的情報が蓄積されているにもかかわらず、なおざりにされていることに違和感を覚える。
     ⑦ シンポジウムのテーマの一部については、特定の立場からの政治的・思想的な主張が強過ぎると感じる。そのテーマが我々科学者、そして人類全体にとって重要であることについては一切の異論はないが、あくまで当学会は生物地理学を研究する場であり、それを政治思想のアピールの場に利用することは受け入れがたい。
     ⑧ この学会で行う以上、市民シンポジウムのテーマは少なくとも自然科学系に沿っている必要があると思います。

   3-8-4会費負担について(2件)

     ① 会誌の投稿の際の無料ページが少なすぎる。大学勤務などで研究費で支払える方にはともかく,アマチュアや退職者には有料は過重負担で投稿する気になれません。研究費の補助を受けていない人には超過ページ代支払いを免除する,などの方策をもうけていただけないでしょうか。
     ② 論文が受理された後に、論文の超過ページの請求代金をあらかじめ教えてほしい。